本日のテーマは「仮説で大局観を持とう」というお話です。
課題・問題に取り組む際に「仮説思考」と「網羅思考」という2つの思考法が存在しますが、本ブログでは仮説思考を用いることを推奨しています。そして本章では、前々回からお送りしている仮説が与える恩恵・第3段となる「大局観」についてのお話です。
では仮説と大局観の関連性や、大局観を得ることによってどのような現象が現れるのかを覗いていきましょう。
大局観とは
まずは序章として、大局観について学んでいきます。
大局観とは、全体構造の俯瞰している度合いのことです。
①設計図の例え
この大局観は、モノを作る際の設計図に例えられます。設計図がなければ次の組み立て方の順序が分からず、手探りで迷いながらの工作を強いられてしまうでしょう。
それと同じで課題・問題にも設計図があり、それこそが大局観です。課題・問題の大局観(設計図)が分からなければ、手探り作業で時間を大幅にロスしたり、そもそも解決が出来ないこともしばしばあることでしょう。だからこそ大局観を持つために、仮説思考を用いるのですね。
②地図の例え
また大局観は、旅行に行く際の地図にも比喩できます。地図がなければ旅行先となるゴールの位置を把握できないので、逆算しながら走る道を定めることが出来ません。きっと手探りで道を選んでいくことになり、遠回りする確率は上がるでしょう。それでもまだ東西南北の方向性があっていればマシですが、真逆の方角へ向かってしまうこともしばしば…。しかし、地図があれば最短ルートを導き出せるのです。
これと同じように課題・問題の大局観を持っているからこそ、目的達成というゴールの位置も把握出来るようになる。まさに課題・問題の解決はモノづくりや旅行と同じであり、ロードマップとなる図面(大局観)は必須なのですね。
網羅or仮説
では次に網羅思考と仮説思考が、大局観にどう影響を与えるのかを見ていきます。
①網羅・大局観持てない
網羅思考の場合、大局観は持てません。
多くの情報を集めて吟味してから、最善のアクションを決めようとする網羅思考は、一見大局観を持とうとする営みに見えるでしょう。
しかし課題・問題というゴールが全く目に入っていないので、無意味な情報も入手してしまうこと間違いありません。そして情報洪水で混乱してしまい、進む方向性が分からなくなってしまうのですね。
②仮説・大局観持てる
逆に仮説思考の場合、大局観を持つことが容易です。
仮説という言葉通り、仮の説なので絶対的に正しいゴールとは言えません。しかし仮でも良いので何かを行う前には、目的地が必須なのですね。するとそこから逆算する思考にシフトチェンジするので、スタートからゴールまでの大局観が描きやすくなるのです。
もし仮に仮説が間違いであったとしても、比較的早い段階で逆算が上手くいきません。だからこそ、新たな仮説(目的地)模索に切り替えることになるでしょう。つまり、大した時間ロスにはならないということ。
多くの人が課題・問題をいつまで経ってもクリアできないのは、網羅思考によりフィードバックが得られない作業に心折れてしまったからでしょう。だからこそ課題・問題達成の目的地を仮説で定めて、そのアクションに対して進捗を刻んでいきましょう。
樹木と魚の比喩
最後に大局観とは少し話が逸れることになりますが、仮説や網羅の思考法を「樹木や魚」の比喩でご紹介して締めようと思います。
①根・幹と枝・葉
まずは樹木の比喩です。
仮説思考は、樹木の根や幹を大事に育てることと同じです。枝は1本折れてしまっても根・幹さえしっかりしていれば、また伸びてきますよね。しかし根・幹に問題があったらどうでしょう…?もう枝葉さえ伸びることなく、樹木の命はそこで尽きてしまいます。
そして網羅思考は、枝・葉だけを大事にする考えなのです。根・幹をないがしろにしてしまい、だからこそ樹木の命が尽きてしまう。そして思考法で言えば、結果が出ず途中で投げ出してしまうのですね。
②骨と身
また魚にも比喩していきましょう。
仮説思考では、骨を見つけることに注力しています。骨は身に埋もれていて、見つけることが難しいでしょう。しかし骨の位置を把握していれば、うまく身を取り除けて美味しくいただける。
逆に網羅思考で、魚で言う身にばかりフォーカスしていればどうなるでしょう…?きっと骨の取り分け作業が上手く進まず、食べる時間も食べ心地も悪い方向性に傾いてしまいます。
このように物事の中枢を理解するために、仮説思考を用いることが重要です。それこそ根・幹や骨にフォーカスすることと、全く同じなのですね。
最後に
本日は「仮説で大局観を持とう」というお話、いかがでしたか?
大局観は、前記事・前々記事でご紹介した「エントロピー」や「作業時間」にも大きな影響を与えます。とどのつまり、この3つの要素は相関関係にあるということですね。
是非とも仮説を作る習慣を持ち、広い視野で不必要なものを排除していきましょう。すると人生のあらゆることに対して、時短を遂行できるでしょう。時間は命であり、有限なものです。この限られた資産をどう効率的に使うかが、あなたの人間としての振り幅を大きく変化させます。
もちろん振り幅を広げることが正しいというのは、あくまで1主観です。ですが私はワクワクに満ちた人生を歩んでくれる人が、少しでも増えることを良いものと認識しています。だからこそこの感情を、これからも伝播していきたいと感じます。
本日はご精読ありがとうございました。
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