エビデンスの形式

その他

 今回のテーマは、「エビデンス(科学的根拠)の形式」についてのお話です。

 勉強に取り組む時、目の前の情報を信じるか否か、人それぞれ判断基準があると思います。やはり目の前の情報を信じるためには、何かしらの「根拠」が必要ですよね。

 そんな中、「科学」を頼りにして、エビデンスの有無に注目している人も多いのではないでしょうか?

 このエビデンスですが、それを打ち出すための研究内容は様々な形式が存在します。そして研究内容の形式によって、信憑性の高さも変わってくるのです。

 「エビデンスの形式による信憑性」の知識を、今後の知識習得する際の頼りとして取り入れてみてください。

 では、エビデンスの形式を3つご紹介していきます。

ランダム化比較試験

 エビデンスの形式1つ目は、「ランダム化比較試験」です。

 ランダム化比較試験とは、現在同じような状態の人を集め、ランダムにグループ分けして、その後に別々の行動をして過ごしてもらう研究のことをそう呼びます。

 特定の食品を摂取するか否か、特定の運動を行うか否かなどを変更し、それ以外は全く同じような生活をしてもらいます。そして「特定の行動」が生み出す結果を統計として導き出し、その導き出したものがランダム化比較試験のエビデンスとなるのです。

 研究参加者は、同じような「生活スタイル」・「健康状態」の人を集めます。その事からエビデンスの中でも信憑性が高いものと言えますね。

観察研究

 エビデンスの形式2つ目は、「観察研究」です。

 観察研究とは、特定の行動を良くとる人(集団)と取らない人(集団)を、数年から数十年かけて経過観察していく研究のことをそう呼びます。長期の経過観察から、特定の行動が引き起こす結果を統計としてエビデンスにするのです。

 しかしこの研究では、全ての条件が同じ人たちで影響をチェックするわけではありません。

 例えば、アルコールの摂取量が多い人と少ない人という、1つの視点から観察するとします。その場合、別の条件は人それぞれ異なってくるわけです。

 1つの視点からマイナスの行動を取っていれば、ベースとして怠惰な価値観を持っている可能性もある。そうなれば他の視点で見ても、マイナス行動をしている可能性もあるのです。もし悪い結果が生じたとしても、本当に観察研究で取り扱っていた行動が原因かも懐疑的でしょう。

 その事から、「ランダム化比較試験」よりも「観察研究」の方がエビデンスは低いと言えます。 

メタアナリシス

 エビデンスの形式3つ目は、「メタアナリシス」です。

 メタアナリシスとは、複数の研究結果を取りまとめたものをそう呼びます。

 1つの研究からの「結果・エビデンス」であれば、それによって導き出された統計データは例外の可能性もありますよね。しかし10~20個もの研究で、同じような統計結果を証明していれば信憑性はより高くなります。

 メタアナリシスは、「ランダム化比較試験」・「観察研究」ともに取りまとめたものが存在します。ランダム化比較試験を取りまとめた「メタアナリシス」こそが、信憑性が最も高いエビデンスと言えるかもしれません。

最後に

 エビデンスの形式のお話、いかがだったでしょうか?

 ちなみに、「科学が絶対的なもの」という考えを持つことは危険です。

 科学は更新されるものであり、まだ全てが解明されているわけではありません。また個体によっても、多少の影響の差異もあるでしょう。信憑性が高い事は、確立が高めであって、真実である事とはまた違う。この事実は心に留めておき、自分の頭で考えて自分で信じるものを決めましょう。

 皆さんの今後の知識習得に、少しでもお役に立てば良いなと感じています。

 本日はご精読ありがとうございました。

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