本日のテーマは「仮説を作ることの懸念解消」というお話です。
仮説を作ることの重要さは有名で、誰もが1度は耳にしたことがあるでしょう。ですが多くの人が仮説思考を用いて課題・問題の解決に取り組もうとしても、中々遂行することが出来ません。なぜでしょう…?
そこには原因となる、2つの懸念が隠れています。本記事では、仮説を作ることの懸念をご紹介して、それぞれを解消するためのマインドや方法論をご紹介していきます。この記事によって網羅的に課題・問題に取り組む人が減り、仮説を立てられる人が増える一助になれば嬉しく思います。では本題に行きましょう。
間違った仮説
まず仮説を作ることの懸念1つ目「間違った仮説」を解消していきましょう。
課題・問題に対して、仮説を作る前に「もし間違った仮説を作ってしまったら、時間の無駄になるのでは…?」と心配の気持ちが湧き上がってくることでしょう。
もしも網羅思考で情報収集したのであれば、学びがあることから少しは進捗した気分になります。ですが仮説思考では、何も前に進んでいない感覚になり、ここまでの営みが水の泡になると感じてしまう。しかし、この心配は杞憂です。
①1~2週間で気づく
なぜなら間違った仮説を作成したケースでも、1~2週間でその事実に気づくことがほとんどだから…。きっと仮説検証をするための情報収集をした段階で、その仮説を肯定する情報は入ってこないでしょう。そうなれば、情報収集により間違いが証明されます。その期間がせいぜい1~2週間ということ…。とどのつまり、大した時間ロスにはならないのですね。
そして「1つの仮説が間違いだった」と気づいたという、自分の経験となっている。また仮説が否定された段階で、集めた情報により次の仮説の芽が発見されていることも多いです。これは前進であり進捗ですよね…?どんなこともプラスにもマイナスにも捉えられるもの。是非とも、肯定的な視野も一緒に養っていきましょう。
②「情報収集」と「間違った仮説」の時間比較
さらに網羅思考で情報収集を徹底している人と、仮説思考で間違った仮説を作ってしまった人の時間を比較してみます。
例えば、網羅思考の人が100個の情報を集め分析していたとします。それに対して仮説思考の人が、仮説検証のための情報のみを集めて、98回の間違った仮説の後に99回目の仮説が正しかったとします。すると網羅的に考えていた人よりも、仮説を用いた人の方が速く課題・問題をクリアしていることに気づくのです。
そして98回間違えることはあまりなく、1つずつ間違った仮説を見聞きする程に、次の仮説の正解率は上がっていく。時間としては、確実に仮説思考に分があると言えるでしょう。ですので間違った仮説を恐れずに、安心して仮説づくりに注力してくださいね。
失敗経験のトラウマ
次に仮説を作ることの懸念2つ目「失敗経験のトラウマ」を解消していきます。
過去に仮説思考を用いて、仮説を作ってはみたものの失敗してしまった。そして周りに対して恥をかいてしまい、恐怖心から網羅思考に走ってしまう人もいるでしょう。ですが失敗は否定的に捉えるのではなく、肯定的に捉えることが重要です。ここからはそれを示している、2つの言葉をご紹介します。
①失敗は成功の母
1つ目の言葉は「失敗は成功の母」という言葉です。
母がいなければ子供は産まれないように、失敗という母がいなければ成功という子供も産まれません。つまり失敗とは通過儀礼のようなものであり、ゴールへの道のりをしっかりと進んでいる証とも言えます。
逆に失敗を笑う人は、ずっとスタート地点にいて行動もしていない人たちです。きっと行動できていない自分を肯定するために、自分は失敗していないという武器を用いて、前に進んでいる人に嘲笑の眼差しをおくっているのでしょう。そうでもしなければ、自分を保てられないのだとも思います。だからこそ、他人の目は気にする必要がないものなのですね。
②1勝9敗を受け入れる
次に2つ目の言葉ですが「1勝9敗を受け入れる」というものです。
この言葉はユニクロの創設者・柳井正さんの一節であり、彼は上手く行かないのは当たり前だと自らの経験から言葉を紡いでいます。あれだけの大企業の創設者でもそうなのですから、仮説思考ビギナーの人が失敗しない訳がありませんよね。
スポーツでも音楽でも、練習の中で失敗して上達するものと考えるのは常識です。誰しもがいきなり、プロアスリートやプロ音楽家のようなプレイや演奏は出来ないでしょう。彼らは人々を魅了するプレイや演奏の裏側で、それとは比較にならない程の失敗をしていることを忘れてはいけません。仮説思考においても、全く同じことが言えるのですね。
③第三者のフィードバック
では次に同じ失敗を繰り返してしまう人への、具体的アドバイスのお話です。
何度も同じ失敗を繰り返してしまうということは、失敗の原因を正しくフィードバックできていないということでしょう。とは言っても自分では中々気づけないものなので、オススメとして第三者のフィードバックを得るようにしてみてください。
第三者に相談すれば、必ず同じ失敗で躓いた人がいる。相談を繰り返せば、それを乗り越えた人にも会うことができ、正しいフィードバックが貰えるでしょう。そして次のステージに、自分を進められるはず…。仮説は自分1人で抱え込むよりも、相談して人に見せた方が速く昇華していきます。是非とも自分の力を過信せず、他人にも頼っていきましょう。
④仮説検証情報の調べすぎ
そして最後に私からあなたの失敗に当てはまるかは分かりませんが、第三者目線のフィードバックのご紹介です。それは仮説検証情報の調べすぎをしているというもの…。
仮説を立てて、その仮説が正しいかどうかの情報を徹底的に調べすぎると、仮説思考を持っているはずが網羅思考に逆戻りしてしまいます。もちろん仮説を全くつくらない網羅思考よりは、速く物事が進むかもしれません。ですがこちらも時間切れとなり、失敗に終わる可能性は高いのですね。
ある程度の量の肯定する情報が集まったのなら、実際の検証作業となる行動に移していきましょう。結果は「知識✕行動」から生まれます。頭の中でどんなに検証していても、動かなければ現実世界には具現化できないのですから…。
ここで仮説思考が上手くいかないといって、仮説を作らない網羅思考に戻ってしまう人がいますが、問題は仮説ではなく網羅の考えが捨てきれていないことなのですね。
最後に
本日は「仮説を作ることの懸念解消」というお話、いかがでしたか?
間違った仮説を作ってしまうかもしれないという失敗の恐れ、もしくは1度行動はしてみたけれど失敗した経験がトラウマになって、新たにチャレンジ出来ない人もいるでしょう。
是非とも、失敗を良いものとして捉えてください。そのモノの見方を変化させるだけで、あなたの課題・問題の解決スピードが加速度的に上がることは間違いないのですから…。本記事があなたの仮説思考の一助になることを、心から祈っています。
本日はご精読ありがとうございました。
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