幸福の3タイプ①「癒やしの幸福」

脳科学

 本日のテーマは「幸福の3タイプ①癒やしの幸福」というお話です。

 大きな視野で幸せについて吟味してみると、幸福には3つのタイプがあることに気づきます。そして理系チックな結論となりますが、それぞれの幸福を感じる根拠はいわば脳内物質です。ある脳内物質が脳内で放射されると、私達はその類の幸福を感じ取り、心身に影響を与えるという機序です。

 そこで本記事から3回に渡り、幸福の3タイプを深堀りしていきたいと思います。そして第1回目となる幸福は「癒やしの幸福」についてです。

セロトニン

 まず癒やしの幸福を感じる、源泉の脳内物質は「セロトニン」です。

①爽やか・穏やか

 セロトニンは、爽やか・穏やかな感情に直結しています。

 爽やか・穏やかな気持ちとは、いわばリラックスしているということですね。物珍しいものや興奮するものに遭遇した訳でもないのに、なぜかこの瞬間に心地良さを感じる。それがセロトニンからくる、癒やしの幸福の性質です。

②散歩・自然・入浴

 セロトニン分泌方法としては、散歩をしたり、自然に触れたり、入浴したりするときに分泌します。お金もかからないこれらの営みで、誰しもが癒やしを感じたことがあるのではないですか…?

 つまりセロトニンは心身の健康の幸福とも言え、体調・気分が良いなと感じることはセロトニンが充満している証です。昨今ではマインドフルネス瞑想などが流行っていますが、まさに快楽の幸福ではなく、忙しい現代社会に酷使された心身を、多くの人は癒やしたいのでしょう。

③情緒不安定の正体

 そして情緒不安定の正体も、このセロトニン不足に起因します。

 セロトニンが低下すると「怒り・憂うつ・集中力低下」などを引き起こし、情動が安定しなくなってしまう。そして反芻思考で、どんどんネガティブの悪循環にハマってしまうのですね。

 精神疾患はその典型例であり、前頭葉からセロトニンが枯渇してしまった状態が「うつ病」だと、現代医学では述べられています。そして情緒不安定な人程、次回記事以降で詳しくご紹介する「愛情の幸福」・「快楽の幸福」を求めがちです。しかし、これは間違ったアプローチ法なのですね。

 なぜなら脳が酷使されて疲れ切っているのだから、快楽ではなく、まず癒やしで休むべきでしょう。そしてセロトニンが低下した状態で愛情を求めれば、強い執着心からきっと他人は離れていってしまう。さらに泥沼の苦しみにハマる未来は、目に見えていますよね。だからこそ、まず癒やしの幸福を求めて、セロトニンを活性化することを第1STEPとしていきましょう。

2つの効能

 次に、癒やしの幸福の源泉「セロトニン」による2つの効能をご紹介します。

 先程の項でもリラックス状態という効能をご紹介しましたが、まだまだポテンシャルを秘めている脳内物質です。ではその他の、2つの効能を見ていきましょう。

①その他の脳内物質調整

 セロトニン・2つの効能1つ目は「その他の脳内物質調整」です。

 脳内には様々な脳内物質が分泌されていますが、それらを調整する役割をセロトニンが担っています。つまりセロトニン不足の人は、その他の脳内物質が過剰分泌してしまい、情動が制御出来なくなってしまうのですね。

 例えば快楽を感じるドーパミンですが、いつまでも満足できない気持ちが収まらず、物事への執着心が強くなってしまうかもしれません。いわばドーパミンとは、中毒に陥る脳内物質です。しかし、セロトニン分泌が正常ならばドーパミンの調整が可能となり、自制心が容易に発動できるもの。欲望に弱い方は1度、セロトニン不足を疑ってみてください。

 またアドレナリンという興奮・怒りの脳内物質を調整して、攻撃的な人間になることをSTOPさせる働きもあります。その他にもノルアドレナリンを適度に制御し、ストレスを溜めすぎず、集中力向上に必要な分泌量へと誘うことができる。

 このように、セロトニン分泌が果たせているからこそ「自制心・集中力向上・平常心」などが手に入ることを、常に心の片隅に置いておきましょう。

②鎮痛効果

 セロトニン・2つの効能2つ目は「鎮痛効果」です。

 心のリラックスに有効と言われるセロトニンですが、体のリラックスにも効果があります。とどのつまり、身体的な痛みのコントロールにも関与しているということ。「頭痛・腰痛・膝関節の痛み」などを感じているのであれば、もしかするとセロトニン不足なのかもしれませんね。

 是非とも2つの効能を得るために、セロトニン分泌の習慣を取り入れてみてください。

最後に

 本日は「幸福の3タイプ①癒やしの幸福」というお話、いかがでしたか?

 癒やしの幸福は、まさに幸福の土台部分でしょう。この土台を蔑ろにすれば、客観的に恵まれた立ち位置にいたとしても、きっと主観的に幸福を感じられないはず…。逆に言えば、客観的に見て不幸な立ち位置であっても、セロトニンさえしっかりと分泌していればその人の感じ方は幸福なのです。

 先進国である日本の幸福度が低く、ブータンの幸福度が高いのも、きっと両者のセロトニン分泌量に大きな差異があるからだと思います。方法論としては散歩・自然・入浴など、お金をかけずに満たせられるものばかり…。今が苦しい方は、まずセロトニンによる癒やしの幸福を求めてみてくださいね。

 本日はご精読ありがとうございました。

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