幸福には優先順位がある

脳科学

 本日のテーマは「幸福には優先順位がある」というお話です。

 前回までの3記事に渡り、幸福には主に3つのタイプがあることをご紹介させて頂きました。それぞれ魅力的な幸福たちですが、これらには優先順位が存在します。もしも優先順位を間違えてしまえば、一過性の幸せは手に入るかもしれませんが、長い視野で禍福は禍に転じることでしょう。

 では幸福3タイプのそれぞれの特徴を振り返り、それを踏まえた上で幸福の優先順位を一緒に学んでいきましょう。

幸福3タイプの特徴

 まずは「幸福3タイプの特徴」を振り返っていきます。

①快楽の幸福

 1番最初に「快楽の幸福」です。

 快楽の幸福は、ドーパミンという脳内物質が源泉にあります。そして興奮・高揚の感情に、直結していくのですね。「お金・地位・名誉・TV・スマホ・お菓子」など、これらはドーパミン分泌の仕掛けが施されたモノたちです。人間が作った発明品であったり、フィクションとなる物語であったり…。

 ただフィクションの物語(お金・地位・名誉)でも全員が信じていれば、人間は虚構の価値を手にしたくなるもの。そして手中に収めたときに、人はドーパミンによる快楽の幸福を得るのですね。

 またTV・スマホ・お菓子なども、どれだけドーパミンを分泌させ、依存ユーザーにさせるかの仕掛けが充満しています。これらの私なりの賛否のジャッジは、次の項で詳しくお話しますが、これが主に快楽の幸福の具体例です。

 そして特徴としては、今ないものを渇望し、またあるものを失う恐怖を得る、そんな苦しみも交わるものと言えるでしょう。

②愛情の幸福

 次に「愛情の幸福」です。

 愛情の幸福は、オキシトシンという脳内物質が源泉にあり、愛・繋がりの感情に直結しています。家族や恋人・仲間など、親しい人とコミュニケーションを取ることにより、私たちは温かい気持ちに包まれますよね…?これはオキシトシンの効能によるものです。

 またペットを飼ったり、ガーデニングや盆栽などの植物栽培を行うことでも、オキシトシンは分泌します。人間に限定されることではなく、生物であればそれらに愛を感じて繋がることができるという訳ですね。

 ここまでの話を聞くと、第1優先の幸福タイプな気もしてきますね。その詳細については次項でのお話なので、もう少しだけ楽しみにしていてくださいね。

③癒やしの幸福

 最後に「癒やしの幸福」です。

 癒やしの幸福は、セロトニンという脳内物質が源泉にあり、爽やか・穏やかな感情に直結しています。快楽の幸福とは真逆の力が心身が働き、リラックスしている状態と言えるでしょう。

 特に物珍しいモノや興奮するモノに遭遇した訳ではないのに、なぜかこの瞬間に心地良さを感じられる。それがセロトニンという、脳内物質の特性なのですね。

 セロトニン分泌方法としては、日光・散歩・食事・入浴などで分泌されます。どれも安価にできるものばかりで、私たちの心身はお金をかけずとも健康な状態をつくれ、幸せになれるという証ですね。

幸福3タイプ・優先順位

 では次に「幸福3タイプの優先順位」を見ていきましょう。

 この優先順位を間違えれば、結果的に幸福を求めて禍が降りかかる可能性が高くなってしまいます。是非とも幸せのルールを覚えて頂き、あなたの今後の人生を幸福で包んでいってくださいね。さぁ本題に移っていきましょう。

①第1優先・癒やしの幸福

 まず第1優先となるのは「癒やしの幸福」です。

 なぜならセロトニンとは心身のリラックス状態を促すものであり、心身回復や安定的メンタルの効能を持つからです。

 もしもセロトニン不足に陥れば情緒不安定となり、怒り・憂鬱・集中力低下などを引き起こしてしまうでしょう。このような精神状態では、どんなに外から見て恵まれた状況にいたとしても、きっと本人は幸福を感じることは出来ないでしょう。逆に周りから称賛されるものを持っていなかったとしても、セロトニンさえ正しく分泌されていれば、今この瞬間に安らぎの気持ちを感じることができるのですね。

②愛情の幸福

 次に第2優先となるものが「愛情の幸福」です。

 私たち人間は群れを作る動物として進化したからこそ、遺伝子レベルで人の愛情や繋がりを渇望しています。つまり遺伝的に愛情の幸福は、快楽の幸福よりも優先順位が高いのです。

 実際に、愛情ホルモンと言われるオキシトシンが分泌されれば「身体の健康と脳機能UP」にも繋がります。具体的には「血圧・心拍数低下や免疫力UP」、「記憶力・好奇心UPと不安の軽減」などが表出されるということです。

 ただ1つ留意点として、セロトニンによる癒やしの幸福の前に、愛情の幸福オキシトシンを求めてしまえば、罠が待ち受けているかもしれません。その罠とは相手に依存状態となり、人が離れていってしまうというものですね。

 だからこそ、まずは自分1人でも幸福になれるセロトニン的な癒やしの幸福を手にしましょう。そして精神的な自立のあとに、相手への慈愛の気持ちを持って、オキシトシンによる愛情の幸福を求めていく。この優先順位が合理的なのではないでしょうか…?

③快楽の幸福

 最後に第3優先となるものが「快楽の幸福」です。

 ドーパミンによる快楽の幸福はまさに諸刃の剣で、自己成長にも自己破綻にも繋がる脳内ホルモンです。上手く使用すれば自己研鑽を習慣とし、どんどん人生の難易度を下げ、新しい景色が見られる高揚感も常時得られるでしょう。

 しかし一歩間違えば、お金を稼ぐことが正義な資本主義により、ドーパミン分泌の仕掛けが施された「スマホ・SNS・ジャンクフード」などにより中毒状態に陥ってしまう。そして資本家の血肉として、自分自身の時間も健康も全てを捧げてしまうのですね。

 そこで悪い方向へ舵をきらせないために、私たちには自制心が必要です。自制心を発動するためには、セロトニンによる「その他脳内物質の調整の力」を借りなければいけません。だからこそセロトニン不足なのに、その苦しみをドーパミンの快楽で補おうとすることは絶対に辞めなければいけない。ただこの悪いアクションをしている人は、現代社会には多いのではないでしょうか…?

最後に

 本日は「幸福には優先順位がある」というお話、いかがでしたか?

 極論を言ってしまえば、私たちはセロトニンによる癒やしの幸福だけでも幸せに生きていけます。ただそれだけでは人生が味気ないものになってしまうので、次の段階としてオキシトシンの愛情の幸福やドーパミンによる快楽の幸福を求めていくのですね。

 そして幸せになるという目的を持つのなら、セロトニンによる癒やしの幸福を土壌部分の核心的内容だと理解して、絶対に崩さないようにしていきましょう。そのために普段の生活習慣を構築していってくださいね。

 本日はご精読ありがとうございました。

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