本日のテーマは「自分の頭で考える力必須・VUCAワールド」というお話です。
巷で囁かれる「これからの時代、自分の頭で考える力が必要だよ」というフレーズですが、この一句は正しいです。なぜなら人類がまだ味わったことがない激動の時代「VUCA(ブーカ)ワールド」に、私たちは片足を突っ込んでしまっているから…。
「VUCAって何?」と、多くの人は感じますよね。確かに、聞き馴染みがない言葉です。本記事では、VUCAワールドとはどんな世界なのか?さらにはその世界で、思考力が必須な理由をご紹介させて頂きます。
VUCAとは
まず「VUCA」とは、何を現しているのでしょうか…?
①4つの頭文字造語
この言葉は、4つの英単語の頭文字を取ってつくられた造語です。
その英単語とは「Volatility(変動)」・「Uncertainty(不確実)」・「Complexity(複雑)」・「Ambiguity(曖昧)」の4つです。意味としては変動が速く、未来が不確実で今より複雑・曖昧なモノになるということですね。
②見通しのきかない世界
もう少し、分かりやすい言い回しを用います。
とどのつまり「見通しのきかない世界」がやってくるということ…。
時代の転換期というのは、決まって見通しがききにくいという特性があります。ですが現代ではそれに加えて、過去の歴史に類を見ない変化の仕方をしている。だからこそ、いつも以上に見通しがきかず「VUCA」と囁かれている。
では、なぜ類を見ない変化をしているのか…?その内容については次項にとっておき、1度話を脱線させます。
③元は軍事用語
このVUCAワールドという言葉は、元々が軍事用語で1990年代に誕生したものです。
VUCA以前の戦争では、基本的に「国vs国」の戦いでした。そのため戦争に対しての戦略が、単純化していた。しかし2001年に始まったアルカイダとの戦争により、今までの戦略が通用せず複雑化してしまったのです。
なぜならアルカイダは国ではなく、イスラム原理主義に基づく国際テロ組織だから…。組織ではありますが誰がトップかも分からずに、またトップダウン型で司令が出される訳でもない。アルカイダの思想に共感した人々が、同時多発的にテロを行っている。
この事象により、これまでの「国VS国」のスタイルと180°変わってしまい、常時変化する状況に応じた戦い方を考えなければいけなかった。そこから「VUCAワールド」という言葉が生まれたのですね。
思考力が必須な理由
そして昨今、私たちの現代社会でもVUCAワールドの黎明期に差し掛かりました。
上記でご紹介した国際テロ組織との戦争により、軍事戦略の見通しがきかなくなったように、現代での共通価値観・生き方・ビジネス方法でも同じことが起こっている。だからこそ自分の頭で考えることが必須であり、自分が時代のパイオニアになるくらいの気概が必要なのですね。
では現代社会を、VUCAワールドに誘ったトリガーとは一体何なのでしょうか…?
①第4の革命「IT」
そのトリガーは「IT」です。
人類が文明を、大きくパラダイムシフトさせた事象は4つあり「認知革命」・「農業革命」・「産業革命」とありますが、それに次ぐ第4の革命こそが昨今の「IT革命」なのですね。4つの革命については、また別記事にしたいと考えております。楽しみにしていただけると嬉しいです。
②多様性&変化の急加速
そしてITが生まれたことにより、多くの人が沢山の情報に触れることが出来るようになってしまいました。それ以前では情報遮断されていた時代もありますし、情報公開されてもなお読書家の一部の人が、長い時代や世界全体と触れ合って俯瞰していただけだった…。
活字が苦手な人や思考停止している人でも、感覚値でそれを理解できるようになってしまったのは、まさに人類初なのです。それ以前は活字が苦手で思考停止した人は、マスメディアの情報に踊らされ、時代の常識を絶対的なこの世の真理だと疑いもしなかったことでしょう。しかし、これに気づいてしまった人が増えすぎた。
そこで多様性の文化、つまりはダイバーシティの世の中へとなっていきます。またITを活用すれば、作業スピードを劇的に上がることでしょう。なぜなら人間のように疲れたからパフォーマンスが落ちたり、人によって能力の差異がある訳でもないからです。
そして様々な方向に変化が加速していき、多くのインフルエンサーがマスメディアに変わって台頭している。だからこそ今までマイノリティで日陰暮らしをしていた人が、反旗を翻す時代になったのですね。
③ランチェの居場所喪失
ここまでの話を聞くと、とても良いことばかりな気がします。実際に私も、VUCAの世界がもっと進捗してくれるといいなという主観に滞在しています。ですが全ての物事には、プラス面とマイナス面が存在するもの…。ではVUCAワールドのマイナス面とは一体、何なのでしょうか?
それはランチェの居場所が、なくなってしまうこと。
「80:20の法則」で有名なイタリアの経済学者「ヴィルフレド・パレート」は、フランス語で執筆した書籍の中で、この世界には2種類の人間がいると説いています。それが「スペキュラトゥールとランチェ」です。
スペキュラトゥールとは投機的な人という意味で、ランチェは保守的な人という意味です。人類の長い歴史を見ても絶対的な共通項として、一部のスペキュラトゥールが自分の頭で考えて、その時代の思想・物語をつくる。そして大多数のランチェが、その空想の世界を具現化するために、真実だと錯覚しながら思考停止で動く。これが人類が文明を飛躍させてきた全てです。
しかしAIにより、これからランチェの仕事を奪われてしまう。そうなればスペキュラトゥール側の経営者から見たら、人よりAIを選択するでしょう。人よりもAIの方が、具現化してくれるのに効率的だからです。
④自分の頭で考える
だからこそ自分の頭で考えましょう。思考力をつけましょう。
ITが生まれる前は、スペキュラトゥールとなる思考力が高い人間はそこまで必要ありませんでした。なぜならそのような人が増えすぎれば、争い事も増えて、思想を具現化することも出来ません。
しかし、AIがそれを担ってくれる。もしもみんなでスペキュラトゥールになれたのなら、どんどん人類の未来は明るい方向へ進むと思うのです。だからこそ今、1番手にしなければいけない力は思考力だと思います。
最後に
本日は「自分の頭で考える力必須・VUCAワールド」というお話、いかがでしたか?
本記事の内容を見て、心が踊った人も暗い気持ちになった人もいるでしょう。それぞれの現在、滞在する主観・色眼鏡によるものです。別に時代に適した主観を持つ必要はなく、自分が滞在したい主観を描くべきです。
しかし、今回の話は自分の主観を描ける人が輝ける時代が来たというもの。もちろん時代の主観に迎合したい、今まで通り絶対真理のお話が欲しいという主観も1つであり、それも立派な正しさの1つです。貫き通したいと思うのなら、結局は人生は自己満足なもの。自分で決めていきましょう。
ただ自問自答して選んだ主観と、ただ流されて選んだ主観とでは、雲泥の差があることだけは忘れないでください。
本日はご精読ありがとうございました。
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