サウナの効能①「脳疲労回復」

サウナ

 本日のテーマは「サウナの効能①脳疲労回復」というお話です。

 サウナはディープリラックスを誘うツールであり、それ以外の時間帯へも様々な効能があります。そして本章からサウナによる日常生活への効能を、1つ1つ具体的に紐解いていこうと思います。

 第1回目は「脳疲労回復」というファクターです。現代人は過去の時代の人が経験したことがない、未曾有の情報化ストレス社会に生きています。とどのつまり、脳が酷使されすぎている時代と言っても過言ではないでしょう。そんな環境なのですから、やはり脳疲労の手段を自ら獲得する必要性が生じます。そしてサウナは、脳疲労に対しての万能薬へとなり得るのですね。

巡る思考OFF

 では、なぜサウナが脳疲労回復を促すのでしょうか…?

 その理由は「巡る思考をOFF」にすることが出来るからです。私たちの脳は、常時無意識に何かしらの思考をしてしまいます。なぜなら動きを止めてしまえば、大脳の思考する力は劣化していってしまうから…。

 これは筋肉に例えると分かりやすく、使用しない筋肉の部位は、どんどん萎縮し筋肉量は少なくなってしまうこと自明です。全てのものに言えますが、使用しないものは衰えていくのです。

①DMNとCEN

 ではここで、この事象を脳科学的視点からお話しましょう。脳の神経ネットワークには、大きく2つの回路の種類が存在します。それは「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」「CEN(セントラル・エグゼグティブ・ネットワーク)」です。

 DMNは、ぼんやり時に活性化し、私たちを無意識の思考に誘います。つまりは意識が飛び交って「過去・未来・他人・自分」のことなどを考えたりしている状態ですね。このとき事実にプラスして、脚色した物語も付随させて…。この力が良い方向へ働けば「アイデア創出」、悪い方向へ働けば「反芻思考」で自他ともに責める活動に従事してしまうことでしょう。

 それに対してCENは、集中時に活性化し、目の前の物事を意識的に認識するために思考します。ただ目の前に広がる「情報・五感・作業」にのみ思考が向いている状態ですね。これを昨今、マインドフルネスという言葉で表現されたりもしています。

②脳の省エネ運転

 そして意外に感じるとは思うのですが、CEN(集中時)の方が脳は省エネ運転をしているのです。普通に考えればDMN(ぼんやり時)に、あれこれ思考を彷徨わせる方が楽をしているイメージですよね。なぜなら目の前のことに集中して作業していることは、努力して頑張っているという印象を持つからです。

 しかし、事実は真逆です。DMN(ぼんやり時)がエネルギー消費70~80%に対して、CEN(集中時)はエネルギー消費がたったの5%しかないのです。

 「そんなこと信じられないよ」という人へ、少し想像してみてください。1人であれこれ過去・他人のことを考えたあとって、体力って残っていますか…?逆に目の前の作業に否定的な印象を持たず、ただただ集中したあとって、清々しい気持ちになりませんか…?この事象は、脳が疲労しているか否かの違いです。

③瞑想よりeasy

 そこで昨今、瞑想の重要性が囁かれていますよね…?

 「食事・歩行・呼吸」などの対象だけに意識を向けて、思考をそこだけに注力しようというものです。つまりはこれらの営みをしている自分に、客観的に気づいているという状態と言えます。

 しかし、瞑想には難点もあるのですね。瞑想が上手く行えると、とても心地よいものなのですが、スポーツ・音楽のようにスキルレベルが存在します。最初は上手く行えず、結局は目の前の対象以外の雑念が浮かび、他事を思考してしまうことでしょう。とどのつまり、脳を休ませるにも技術が必要なのですね。

 そこでサウナの出番です。サウナとは瞑想よりもeasyに巡る思考をOFFにして、CEN(集中時)の神経ネットワークへと誘います。サウナや水風呂で「暑い~冷たい~」と感じているとき、外気浴で「気持ちいい~」と感じているとき、過去・未来・他人のことを考えますか…?目の前の事象にただ、意識・思考が没入しているのではないでしょうか…?

 CEN(集中時)を自転車に比喩するのであれば、サウナはまさに補助輪であり、休む技術が低い人であっても、脳疲労を吹き飛ばすことが出来る必須アイテムなのですね。

生産性UPの理由

 そしてサウナが、優秀なビジネスパーソンに好まれる理由もここにあります。サウナに入る理由として挙げられる「生産性UP」と、上記の項のお話はまさに表裏一体なのです。

①慢性疲労なし

 まず脳疲労がとれれば、慢性疲労は感じません。現代人は今日の脳疲労を1日の中で帳尻合わせできず、次の日に持ち越してしまいます。これらが幾重にもなって「慢性疲労症候群」に陥るのですね。

 ですがサウナタイムの1~2時間に、1日の疲れは流れていきます。またサウナには睡眠の質を上げる効能もあり、深夜の成長ホルモン分泌を促し、次の日の朝はリセットされた爽快な脳で始めることが出来るのです。

 だからこそ優秀な人ほど、サウナを愛し、その恩恵で生産性がとても高いのでしょう。

②CENの活性化

 またもう1つ生産性UPの理由として、CEN(集中時)の活性化があります。

 CENの活性はサウナに入っているときだけでなく、その他諸々の作業時もDMNよりCENが活性化しやすくなる脳の癖がつくのです。すると目の前の仕事に、全ての思考労力を注げることができるもの。だからこそ生産性が高いのでしょう。そしてDMNの抑制にもなることから、くよくよと頭の中でマイナスな物語を回すこともなくなっていくのですね。

最後に

 本日は「サウナの効能①脳疲労回復」というお話、いかがでしたか?

 ビジネスに興味・関心がなかったとしても、日常生活で慢性疲労を感じたいなどという人は99%いないと思います。だからこそ1度、サウナの扉を開いてみてはいかがでしょうか…?

 もちろん、いきなり「ととのい」を得られるかはわかりません。私も1度目では全くととのえず、逆に体調を悪くしてしまったタイプです。しかし沢山の理論書も出ており、トライ・アンド・エラーで行動すれば、サウナもきっと整えるはず…。これは、この世の共通項ですよね。

 本日はご精読ありがとうございました。

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