本日は「サウナの効能③睡眠の質UP」というお話です。
皆さんは、睡眠の「質」について意識をしたことがありますか…?
多くの方は睡眠の時間ばかりに目をとられ、質への意識が疎かになっているかもしれません。もちろん量の重要性も変わりませんが、最高の「体調・パフォーマンス・幸福感」を手に入れるには、睡眠の質への注力も必須作業なのですね。
そしてサウナには、睡眠の質を向上させる作用が存在します。そんなサウナのパワーを、本章では深掘りして考えていきましょう。
ノンレム睡眠時間が2倍
まず、サウナの具体的効果として「ノンレム睡眠時間が2倍」に膨れ上がります。
睡眠には深い睡眠となる「ノンレム睡眠」と浅い睡眠の「レム睡眠」という、2種が存在するのですね。それを交互に4~5回繰り返しながら、私たちは眠りに落ちているのです。
①睡眠アプリで測定比較
そして睡眠アプリ(オーラリングなど)で、睡眠を測定し2パターンの事例で比較します。その事例は「サウナに入った日」と「入らなかった日」で、睡眠状態の差異を見ていくのですね。するとサウナに入らなかった日と比べてサウナ浴をした日は、なんと2倍のノンレム睡眠時間を獲得できたのです。
②グロースホルモン分泌
睡眠中は運動中・運動後と並んで、大人がグロースホルモン(成長ホルモン)を分泌される唯一の時間です。子供時代は24時間分泌しているグロースホルモンも、成人になればこの3パターンしか分泌しない…。だからこそ「睡眠・運動」に注力することは「健康・生産性・幸福感」を求めるのであれば、必須条件となるのですね。
そしてグロースホルモンは、最初のノンレム睡眠の90分間に最も分泌すると言われています。しかし現代人の多くはブルーライトや就寝ギリギリまでの興奮活動によって、寝る準備(リラックス)が出来ていません。そのことから、最初の90分の睡眠が浅くなってしまうのです。
睡眠時間を7時間以上とっているにも関わらず「慢性疲労がとれない」・「日中眠たい」という人が多発していますが、まさに夜の活動に原因があったのですね。
③「量」だけでなく「質」
この事象から、睡眠は「量」だけでなく「質」が重要であることを認識して頂けたのではないでしょうか…?
そして話を最初に戻しますが、サウナはノンレム睡眠の時間が2倍に膨れ上がるもの。つまりはグロースホルモン分泌も促され、あなたの疲労はとれ、日中敏捷に活動することが出来る。サウナとはまさに、現代の万能薬ではないでしょうか。
理屈は不明瞭
ではどのようなメカニズムから、サウナは睡眠の質を上げるのでしょう…?
実は現代の科学で、まだ理屈を解明できていません。しかし事実としてノンレム睡眠の時間は伸び、次の日に爽快・敏捷に動けている。「分かっていない」ことと「ない」ことは違う。だからこそ、やはりサウナには積極的に入るべきではないでしょうか…?
この項では、現段階で「睡眠の質を上げる原因だろう…」と示唆されている仮説をご紹介していきます。
①過酷な運動と錯覚
まず有力な仮説として「過酷な運動と錯覚するのでは…?」という意見が強いです。
サウナ・水風呂の流れでは、目まぐるしい体温調節が行われています。サウナ室では体温上昇を防ぐために発汗の気化熱で体温を下げ、水風呂では体温を逃さないように立毛筋(毛穴)を引き締め、体温への蓋をします。
この目まぐるしい体温調節は、激しい運動とアイシングを何度も繰り返す事象と同じでしょう。そうなれば自ずと、脳は「肉体が物凄く疲労したから、休め」とシグナルを出すのですね。しかし実際には肉体の筋肉を使用していないので、疲労物質は溜まらない。ですが脳は勘違いしているので、運動時と同じように泥のように眠ることが出来るのです。
②DPGの変化
次に「DPG」の変化によって、眠れるのではという意見も存在します。
DPGとは、深部体温と末梢体温の差のことです。
深部体温とは体の中心部の体温であり、末梢体温は手足の先などの体温のことですね。そして私達が眠気を感じるときに「深部体温がDown・末梢体温がUp」という法則が存在します。だから手足がポカポカしていると眠たくなりますし、暖かすぎる部屋よりも涼しい部屋の方が熟睡できるのです。
そしてサウナでまず深部体温をガーッと上昇させて、体の中心までポカポカにします。そして外気浴で副交感神経優位となり末梢血管が拡張することによって、深部体温は末梢へと熱を奪われていくのですね。このときに深部体温と末梢体温の差が通常と違う位置となり、眠気を感じるという具合です。
また横たわることによっても、実は眠気のメカニズムは同じです。水平になれば重力が開放され、末梢に溜まった血液が中心に戻ってきます。そして末梢血液は深部の熱を奪い、再び末梢に戻る。だからこそサウナと同じように「深部体温がDown・末梢体温Up」という形状になるのですね。日本サウナ学会代表で医師でもある加藤容崇さんは、サウナで同じ現象が起こっているのではと推察しているようです。
最後に
本日は「サウナの効能③睡眠の質UP」というお話、いかがでしたか?
やはり睡眠とは、日常生活の土壌と言っても過言ではありません。このポイントを疎かにすれば「仕事・勉強・趣味」など、どれだけ頑張っていたとしても、いずれ総崩れで全てを失うでしょう。また一過性に上手くいっても、結果にムラが出ること必然です。
だからこそ、睡眠やサウナを大事にしましょう。1日24時間のスケジューリングで、私はまず「睡眠・サウナ時間の確保」から計画しています。
本日はご精読ありがとうございました。
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