本日のテーマは「超味覚と身体認知」というお話です。
全記事のお話で、サウナによって5感が敏感になるというメリットをご紹介させて頂きました。本章ではまた違った視点から、感覚が敏感になることについてお話を展開していきましょう。
ここでは「超味覚」と「身体認知」という、2つの定義をご紹介していきます。
超味覚
まず超味覚ですが、一般の人よりも繊細な味をキャッチできる遺伝子の人を指します。英語では「スーパーテイスター」とも言われます。
①味蕾の数が3倍
なぜ生まれ持って繊細な味を識別できるのかと言えば、通常の人と比較して味蕾の数が3倍程多いからです。
味蕾とは、舌や軟口蓋にある味を感じる小さな感覚器官のこと。萎んだ提灯のような形状をしていて、人間の舌には通常約1万個の味蕾があると言われます。この味蕾たちのおかげで、私たちは味をキャッチできている。
ですが超味覚の遺伝子を持った方は、約3万個の味蕾を持っている。つまりは、常人の3倍のポテンシャルがあると言うことですね。
②~すぎが苦手
そして超味覚の持ち主は「~すぎ」が苦手です。
例えば「甘すぎ・苦すぎ・脂っこすぎ・濃すぎ」な料理が苦手なようで、原因としては常人より味が分かりすぎてしまうことにあるのです。
何事もそうですが多少の刺激は快楽になっても、多すぎる刺激は苦痛になるものです。たまに食べる豚骨ラーメンは美味しくとも、毎日食べる豚骨ラーメンはクドいでしょう。それが1度の豚骨ラーメンで感じてしまう人こそ、超味覚遺伝子の保有者なのですね。
③シェフ・ソムリエ
話をサウナに戻しますが、シェフ・ソムリエという職業につく人は、サウナ愛好家が多いそうです。この理由も上記の文章を読み進めた人には、なんとなく想像できるのではないでしょうか…?
そうです。サウナにはネガティブ感情を排出して、今ここの現実に客観的に気づくアシストをしてくれるという側面を持ちます。とどのつまり、味蕾の感知機能を自分のポテンシャル最大限まで出し尽くしてくれる。自分が超味覚の持ち主でなくても、持っている1万個の味蕾が全てパフォーマンス発揮できれば、才能持った人の味覚に近づけるものです。ましてや超味覚の人がサウナに入れば、鬼に金棒のテイスターとなることでしょう。
身体認知
次に身体認知ですが、無意識・意識の双方を合わせた運動感覚のことを指します。
正確には身体認知とは「ボディスキーマ(身体図式)」と「ボディイメージ(身体感覚)」という、2つの運動感覚の総称です。
①ボディスキーマ(身体図式)
ボディスキーマとは、無意識で自動的な運動感覚のこと。
例えば、歩いたり自転車に乗ったりする運動は「足をこう動かして~」と意識していませんよね…?まさに細部の動きは、無意識で自動的に運動しています。
②赤ちゃん時に外部刺激で形成
このボディスキーマは、赤ちゃん時に外部刺激を受けながら形成されていきます。
赤ちゃんは、今まで感じたことがない沢山の刺激にさらされます。例えば「重力による荷重刺激」・「様々なものに触れる触覚刺激」・「視界に飛び込んでくる視覚刺激」などです。これらの外部刺激を基としながら、少しずつ体の動かし方をインストールしていく。
地図に例えるのなら、新しい場所に行くために地図を見て道を覚えるイメージです。1度道を覚えてしまえば、地図を見なくとも無意識に自動的に目的地に迎えますよね。これと同じことが、体の動かし方でも起こっているという具合です。
③ホメオスタシスによる誤作動
正しい刺激にさらされ、正確なボディスキーマを手に出来れば良い成長と言えます。しかし人によっては過剰な誤りの刺激により、ボディスキーマが歪んでしまった人もいるでしょう。例えば、スマホの見すぎによる「猫背や巻き肩」がいい例です。
そして私達には「ホメオスタシス(恒常性)」という、身体の状態を一定に保とうとする力が働いています。これは諸刃の剣となり、良いボディスキーマが形成されれば、いつまでも爽快に体を動かせる。しかし誤りのボディスキーマを手にすれば、肩こり・腰痛や慢性疲労などへの道は一直線です。
④ボディイメージ(身体感覚)
次にボディイメージは、意識により認知的な運動感覚のことです。
例えばジュニア時代からゴルフと縁があった人は、スイング中にほぼ無意識でも正しい動きができます。しかし大人になってゴルフを始めた人であれば「アドレス・グリップ・スイングはこうして~」と考えながら行動しなければ、きっと大惨事の結果になってしまう。
これはジュニア時代から触れていた人は、ボディスキーマとなる無意識まで運動感覚が記憶されている。逆に大人になって始めた人は未知なる刺激であることから、ボディイメージを通して意識しなければ体を動かせないのですね。
⑤視覚頼りで感情・記憶により左右
そしてボディイメージは、視覚頼りで感情・記憶により左右されます。
始めて覚える動きに対して、目を瞑りながら上手く動かせる人はいないでしょう。また感情・記憶によって動かし方に影響を与えてしまいます。
そのため「自分は変われないんだぁ~」と思考している人ほど、いつまで経ってもボディスキーマに昇華させられません。1つの成功体験があると、その後もどんどん成功体験を積み重ねられる。逆に1つの成功体験もない人は、いつまで経っても何も成し遂げられない。これも感情・記憶に左右され、正しいボディイメージが遂行できないことに原因があります。
ナポレオン・ヒルは「思考は現実化する」という言葉を残していますが、まさに思考による感情は、人を変える大きなトリガーとなるのですね。
⑥サウナがアシスト
そして話をサウナに戻しますが、スポーツ選手にもサウナ愛好家が多いです。
この理由もやはり運動感覚が命の職業であることから、悪い癖(ボディスキーマ)を治し、良い癖を(ボディイメージ)に映し出す。そのための反復練習をポジティブにするために、また筋肉の疲労回復を促すために、サウナを愛している人が多いのではないでしょうか。
最後に
本日は「超味覚と身体認知」というお話、いかがでしたか?
シェフ・ソムリエ・スポーツ選手にならなかったとしても、味覚や運動感覚が研磨されることにデメリットはありません。食事は生きていくために必要不可欠なことで、それを奥深く味わえるなんてこんなに素晴らしいことはないでしょう。
また人間も動物であり、動く物という漢字を書きます。だからこそ運動するとBDNG(脳を育てる肥料)や成長ホルモンが分泌して元気になっていく。その運動もせっかくなら、高いパフォーマンスで行えば楽しいでしょう。また怪我の恐れもありません。是非ともサウナに入り、味覚・運動感覚ともにスキルアップしてみましょう。新たな好奇心が、きっと満たせられますよ。
本日はご精読ありがとうございました。
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