「糖化ストレス」影響&対策

食事

 本日のテーマは「糖化ストレス・影響&対策」というお話です。

 全記事のお話で、糖化ストレスにより細胞が焦げてしまうメカニズムをご紹介させて頂きました。糖化は酸化と比較しても脅威であり、20世紀になって生み出された、新たな老化の形です。なぜなら人類史の大部分が飢餓の時代であり、飽食の時代になったのは20世紀になってからのわずかな年月だから…。

 そして本章では、糖化により具体的に肌へどのような影響があるのか…?また酸化対策以上に難しいと言われる、糖化対策の具体的方法にも踏み込んでいこうと思います。

肌への影響

 まず糖化による「肌への影響」を覗いていきましょう。

 2項目に分けて、ご紹介させてください。

①しわ・たるみ「コラーゲン・エラスチンの糖化」

 糖化・肌への影響1つ目は「しわ・たるみ」です。

 しわ・たるみは、真皮やSMAS筋膜のコラーゲン・エラスチンが焦げてしまうことにより起こります。コラーゲン・エラスチンは繊維状のタンパク質ですから、AGEsと体内の熱により交わると、メイラード反応を起こしてしまうでしょう。そして細胞が焦げてしまい、変形・劣化してしまう。

 具体的な劣化症状としては、肌のハリ・弾力を消失させ、しわ・たるみを引き起こすのですね。

②黄ぐすみ「角質が褐色に…」

 糖化・肌への影響2つ目は「黄ぐすみ」です。

 また糖化では酸化と違って、ただのくすみではなく、黄ぐすみを起こしてしまうでしょう。酸化のくすみは血管が錆び、ターンオーバーが阻害されることにより発生します。つまりは古くなった角質が、くすみとして残存してしまうということですね。

 しかし糖化の黄ぐすみでは、角質の細胞(タンパク質)とAGEs(糖質)のメイラード反応により、焦げてしまうことによって起こるのです。本来ならまだ新しい角質も、強制的に褐色に焦げさせ劣化させてしまう…。とても恐ろしく感じますね。

 もちろんターンオーバーに関しても、酸化と同じように阻害されます。なぜならAGEsは、ネバネバしたキャラメルのような物質であり、血管に溜まり血液循環を阻害してしまうということ…。そして血液により運送される、酸素や栄養素が届かなくなってしまうのですね。

糖化対策

 では最大の脅威「糖化対策」として、何を意識すれば良いのでしょうか…?

 残念なことに酸化のように、抗酸化酵素や抗酸化物質を含む食品で対応することが不可能です。ですのでシンプルな対策を、地道に行うしか道はないのですね。

 その糖化対策は、2つに分類されます。

①糖質・血糖値への意識

 糖化対策1つ目は「糖質・血糖値への意識」です。

 AGEsを生み出す原因が、エネルギー変換以上の糖質なのであれば、それを意識して控えていくしかありません。ですので炭水化物過多の食生活にならないように、野菜・魚・ナッツなども積極的に摂取することが求められます。

 また血糖値が急上昇してしまうと、インスリンにより糖分を脂肪に変換し蓄えてしまいますよね。とどのつまりエネルギー変換ではない糖質処理に繋がり、思っているよりも糖質摂取をしていないにも関わらず、糖化を進行させてしまうのです。

 対策としては、上記と同じく炭水化物だけの食事を控え、先に野菜・魚から食べましょう。他にもゆっくり食事をしたり、そもそも全粒粉の穀物などの「低GI値食品」を主食とする。そのような創意工夫をすることにより、血糖値のコントロールができ、糖化を防止することが出来るでしょう。

②適度な運動

 糖化対策2つ目は「適度な運動」です。

 エネルギー変換に使用される糖質は、AGEs発生による糖化に繋がりません。なのであれば、単純にエネルギーを必要とする運動習慣を身につければ奏功しますよね。また運動は「グロースホルモン(成長ホルモン)」や「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という、細胞を若返らせる物質も分泌されます。まさに運動とは、一石二鳥の魔法なのです。

 ただ留意点としては、適度な運動というポイントを厳守しましょう。なぜなら過度な運動は、必要以上に酸素を摂取してしまい、活性酸素による酸化を促してしまうから…。何事も多すぎず少なすぎず、適正量を見つけて実行することが重要なのですね。

最後に

 本日は「糖化ストレス・影響&対策」というお話、いかがでしたか?

 最後に重複するおさらいとなりますが、糖化は20世紀に生み出された新しい老化の形です。だからこそ酸化のように体内が生み出す酵素や、抗酸化物質を含有する食品では対応できません。まさに脅威中の脅威であるにも関わらず、多くの人は酸化ばかりに眼を向けている。

 是非とも、健康寿命を伸ばすために、食事・運動との付き合い方を見直してみてください。皆さんがいつまでも若々しく、健康で心豊かに過ごせることを祈っています。

 本日はご精読ありがとうございました。

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