本日のテーマは「金融投資・2つのリスク」というお話です。
日本人は投資は怖く、貯金は良いものだという価値観を多くの人が持っています。ですが現在の日本の環境下では、国・国民双方に投資の方が理に叶っているのです。だからこそ岸田総理は「資産所得倍増プラン」と題して、NISAを抜本的に拡充したのでしょう。
ですが投資が環境下に合っているといっても、あまりにも無知すぎる状態で金融投資に手を出せば、思わぬ損失を生み出してしまうかもしれません。そこで本章では、金融投資をする上で留意すべき「2つのリスク」についてのお話です。この2つを念頭に置いておけば、あなたは資産形成における金融投資で奏功する可能性が、非常に高くなることでしょう。
では、2つのリスクを覗いていきましょう。
市場のリスク
金融投資のリスク1つ目は「市場のリスク」です。
市場のリスクとは、市場内の変動によるリスクのことです。主に「下落」と「為替」の2つに分かれます。
①下落リスク
まず下落リスクですが、投資している金融商品の価値が下がってしまう損失のことを表します。
株式にしろ投資信託にしろ、その株式自体もしくは含有している株式が下落してしまえば、損失に傾きますよね。投資である以上は貯蓄とは違うので、元本割れを含んだ下落のリスクを皆無にすることは出来ません。
②外国株式インデックスファンド
この下落リスクの抜け道として「外国株式インデックスファンド」が最善策だと、私個人は思っています。この手段も下落リスクが0になると断定できるものではありませんが、ここまでの歴史や現在の波が0に近いよと背中を押してくれています。
その理由については、インデックスファンドの記事を別章で取り上げたいと考えています。その際は、是非ともご閲覧いただけると嬉しいです。
③為替リスク
次に為替リスクですが、為替レートの変動によって起こる損失のことです。
とどのつまり為替レート変動で円の価値が高くなる「円高」が起こった際に、所有している外貨建て金融商品の額が、円に交換した際に目減りしてしまうということですね。
ここまで、色々な金融界隈の語彙が飛び交いました。この言葉たちの定義を理解していなければ、為替リスクの詳細を真に理解することは出来ません。そのことから「円高・円安」と「為替レート」についての簡単なご説明をさせてください。
④円高・円安
円高・円安とは、円の価値が上がったのか下がったのかということを現しています。
例えば米ドルで「1ドル=100円」と仮定してお話しましょう。
円高の場合は、円の価値が上がるので「1ドル=100円」は「1ドル=80円」となることでしょう。なぜなら円はドルと比較して価値が上がったのですから、少ない金額で1ドルと交換することが可能です。そうなれば力が上がった円は80円という安価な金額で、1ドルを手にすることが出来るのですね。
逆に円安になれば、円の価値が下がったので「1ドル=100円」は「1ドル=120円」となります。なぜなら円はドルと比較して価値が下がったのですから、多くの金額を差し出さなければ1ドルを手にすることは出来ないからです。
投資以外での私達の身近な影響としては、円高であれば海外旅行や海外製品が安く購入でき、逆に円安であれば高価なものになってしまうということですね。
⑤為替レート
次に為替レートですが、2国間の通貨を交換するときの取引価格のことを指しています。
とどのつまり上記でご紹介した「1ドル=80円」なのか、「1ドル=120円」なのかという数字の動きのことを示しているのですね。この「現在の結果」を為替レート、そして「変動の名称」を円高・円安と言うとご理解ください。
そして為替リスクとは、為替レートが円高に傾き、1ドル=80円の方向に向かうことを指しています。
そうなれば外貨建て金融商品を購入していた場合、金融商品自体の価値が下落していなくても、通貨交換の際に損をしてしまうのですね。投資では海外旅行・海外商品購入と利益・損失が逆転して、円高であれば外貨建て金融商品を円に変換した際に目減りする。ですが円安であれば外貨建て金融商品を円に変換した際に増額するとお考えください。
投資をする際は、下落と為替による市場のリスクがあることは常に留意しましょう。
人間のリスク
金融投資のリスク2つ目は「人間のリスク」です。
人間のリスクとは、金融商品の営業マンの影響で、不適切な意思決定をしてしまうリスクのこと。
①銀行・証券会社・保険会社
その主な職業の人として「銀行・証券会社・保険会社」で従事している人が挙げられます。
「えっ?彼らは信用して良いのではないの?」と感じた人もいるでしょう。ですがそのような発想を持っていたのなら、私は今から少し不適切な発言をするかもしれません。お許しください。その状態は情弱であり、他人の言葉を手がかりに、知らないものに投資すること自体が間違いです。この人を信用出来るなという、その信心が大損の元になるのですから…。
上記で挙げた彼らは、あくまでビジネスマンです。慈善事業のために、あなたの資産形成の手助けをしているのではありません。傾向として彼らが進める金融商品は、手数料が高額なものが多く、またギャンブル性の高めなハイリスクの商品を勧めてくるでしょう。
②日本型ビッグバン
その根拠として「日本型ビッグバン」が挙げられます。
日本型ビッグバンとは、1998年に橋本龍太郎内閣が施行した金融制度改革のこと。
この金融制度改革は「銀行・証券・保険」の3分野を対象として行われ「Free・Fair・Global」の3つを理念としていました。そしてFreeの理念では、銀行・証券・保険の相違参入や、金利・手数料の自由化を認めたのですね。
つまり銀行が証券を扱ってもいいし、証券会社が証券総合口座を解禁しても良い。さらにはスーパー・コンビニなどの異業種も、銀行業務に参入できるようになりました。
そして競争は促進され、投資信託を銀行窓口で販売する流れが生まれたのです。さらには手数料や金利も自由化となったことから、競争に苛まれた銀行は、民間企業と同じく高手数料商品を勧めてくるという結果を生んだのですね。
③日銀の低金利政策
そこにきて銀行を経営難に襲う魔の手も、銀行が信用できない根拠の1つとなります。
それは「日銀の低金利政策」です。
日本銀行は経済・景気を安定させることを目的として、金利を上下させながら調整しています。そして現在は景気低迷なことから、日銀の金融政策は「低金利政策」に舵を取っているのですね。ですが利息で儲けている銀行は、この環境下では利益が入りません。
そのような状況下と相まって、上記の日本型ビッグバンのFree理念のルールも認められている。だからこそ銀行は、手数料の高い運用商品販売に注力するようになったのです。ですが多くの人は、それ以前の安泰・信頼という名残りを信じ続けています。過去の名声に信奉せず、今の客観的事実を吟味する。そのような姿勢が投資においても、人間のリスクを避けるために必要なのではないでしょうか…?
最後に
本日は「金融投資・2つのリスク」というお話、いかがでしたか?
投資の神様と謳われるウォーレン・バフェットも、自分が理解できないものには投資しないと述べています。だからこそあなたも、2つのリスクの概要も含めて、投資する金融商品について学びましょう。それが市場と人間のリスクヘッジになるのですから…。
ですが人によってはまず行動して、失敗という痛みを経験で得る。だからこそ同じ失敗を繰り返さないと考える人もいます。そこは答えがない領域なので、どちらの考え方を自分に採用しようかじっくり吟味してください。
個人的には、19世紀プロイセン王国の首相「オットー・ビスマルク」の「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉の思想に従っています。さぁ、あなたはどちらの考え方を採用して、金融投資を含むあらゆる事象に挑みますか…?
本日はご精読ありがとうございました。
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