私的年金制度の概要

資産形成

 本日のテーマは「私的年金制度の概要」というお話です。

 全記事のお話で、国が運営する年金システム「公的年金制度」についてのお話をさせて頂きました。軽くおさらいしますと、20歳~60歳未満のすべての国民が加入する「国民年金」と、勤め先(会社員・公務員)がある方が加入する「厚生年金」の2分類があるのでしたね。そしてこの2分類は、家に比喩したとき3階建ての1・2階部分に例えられます。そこで本章からは「私的年金制度」という新たな枠組みのご紹介です。

 私的年金制度とは、企業や個人で運営する年金のことです。公的年金上乗せの給付として用意された年金制度であり、3階建ての建物の3階部分に比喩されます。そして私的年金は、2つの軸によって4つの性質に分かれるのですね。

確定給付or確定拠出

 その1つ目の軸となるものは「確定給付年金」or「確定拠出年金」かと言うことです。

①確定給付年金

 確定給付年金とは、加入した期間に基づいて給付額が定められている年金制度です。

 運用失敗や不足の事態があったとしても、その損失を請け負うのは年金の管理を担っている会社です。ですので自分自身は将来の受給額が見通せて、人生設計がスムーズに構築できるのですね。

②確定拠出年金

 次に確定拠出年金は、拠出した掛金の運用利益により給付額が変動する年金制度です。

 拠出(きょしゅつ)という言葉を辞書でひくと、「金銭を出し合って特定の目的に用いる」と記載されています。つまりはみんなで分散投資しようという年金制度であり、貰える金額が保証されていないので、確定給付年金と比較するとギャンブル性を帯びたモノだとも表現できますね。

 実際問題に企業が運営していた確定給付年金は、運用失敗のリスクを企業が請け負うために縮小・廃止に進んでいます。そして確定拠出年金に切り替える企業が多いのだとか…。

個人or企業

 次に2つ目の軸となるものが「個人年金」or「企業年金」かと言うことです。

 そして前項で記載した「確定給付or確定拠出」と「個人or企業」の2軸の組み合わせで、4パターンに分類されるのですね。

 では話を、個人年金と企業年金に戻しましょう。

①個人年金

 個人年金は、個人で独自で加入する私的年金制度のこと。

 自らが将来の安心のために、自営業・会社員問わずに加入することが可能です。確定給付型の個人年金であれば、個人年金保険が挙げられるでしょう。ただ手数料で高く損をするので、あまりオススメはしません。

②iDeCo

 逆に、個人型の確定拠出年金は「iDeCo」という商品名で認知されていますね。またiDeCoについては、別記事で深掘りしたいと思っているので今回は割愛します。ですがiDeCoは非課税になる、とても有益な制度です。是非とも、積極的に活用したいものですね。

③企業年金

 次に企業年金ですが、企業単位で独自に加入する私的年金制度のこと。

 自分が勤めている企業により、企業年金の概要は様々ですので、1度調べてみても良いかもしれません。そして確定給付年金であれば、そこの企業に属していれば決まった年金金額が上乗せして貰えます。ですが先程もご紹介したように、企業がリスクを背負う性質があるので縮小・廃止の流れに向かっているのです。

④企業型DC

 そして企業型DC(企業型確定拠出年金)が主流となりつつあり、雇用主と従業員が折半して拠出を行う「マッチング拠出」という言葉も存在するそうです。もちろんiDeCo同様に運用益は非課税になるのだとか…。

最後に

 本日は「私的年金制度の概要」というお話、いかがでしたか?

 これにて公的年金・私的年金を包括した、年金制度全体のお話を締めさせて頂きます。少しでも皆さんの生きる知恵に貢献できたのなら、嬉しく思います。

 また次回記事では、公的年金はぶっちゃけ得なのか?損なのか?という、道徳的にタブーな話にも触れていきたいと考えています。是非とも、楽しみにして頂けると嬉しいです。

 本日はご閲覧ありがとうございました。

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