新NISA③「旧NISAと併用可能」

資産形成

 本日のテーマは「新NISA③・旧NISAと併用可能」というお話です。

 2024年からベールを脱ぐ「新NISA」ですが、なんと旧NISAとなる「一般NISA・つみたてNISA」と併用が可能です。もちろん旧NISAの新規受付は廃止となるのですが、2023年12月までに申し込みを済ませてさえおけば、新・旧ともに併用できてしまうのですね。

 とどのつまり投資利益非課税枠が合算され、これも新NISAの立派なメリットと言えるでしょう。ただ留意点も存在し、旧NISAの中でも一般NISAとつみたてNISAでは少し状況が異なります。そんな状況の差異について、恩恵や懸念を深掘りしてご紹介したいと思っています。

つみたてNISAの恩恵

 まず「つみたてNISAの恩恵」についてです。

 こちらの旧NISAは新NISAと併用することにより、恩恵がしっかり享受できると言えるでしょう。

①非課税期間の保証

 まず恩恵の1つ目として「非課税期間の保証」が挙げられます。

 つみたてNISAの非課税期間の保証は「20年」と、とても長いですよね。もしも仮に2023年に申し込みをしたのなら、2043年まで旧NISAのサービスを利用出来るのですね。そしてもちろん新NISAの期間・恒久化となったサービスも利用でき、棚からぼたもちとはまさにNISA併用のコトを指すのかもしれません。

②非課税額の合算

 さらに恩恵の2つ目として「非課税額の合算」が可能です。

 つみたてNISAでは合計非課税額が「800万円」と、一般NISAの「600万円」より高い数字が保証されています。だからこそ新NISAの合計非課税額「1800万円」と合算すれば「2600万円」という、巨額な非課税額が得られるのですね。

 もちろん一般NISAであっても、これらの恩恵は享受できます。ただ両者を比較した際に「5年と20年」・「600万円と800万円」という数字に、つみたてNISAの良さがきっと際立ってしまうでしょう。

一般NISAの懸念

 次は「一般NISAの懸念」についてのお話です。

 ただ一般NISAとつみたてNISAの両者を比較して数字が少ないだけなら、一般NISAのマイナス面は大した問題ではないでしょう。ですが単純に期間や額が少ないという点だけでなく、損をしてしまう懸念が一般NISAには存在するのです。

①5年後損失で税負担

 その懸念とは「5年後損失で税負担」の可能性があることです。

 例えばNISA口座を用いて、100万円でファンドを購入したとします。しかしそのファンドが5年後に70万円値下がりをして、30万円になってしまった…。この時点で30万円は、NISA口座から特定口座に移されます。そして取引価格がこの30万円から、再スタートしてしまうのですね。

 つまりはその後にファンドが70万円の値上がりを果たし、元本100万円に戻ったとしても損を招くということ…。なぜなら取引価格は30万円スタートで設定されており、この金額はNISA非課税枠対象外です。そうなれば額が戻っただけなのに、この70万円分の取り戻し額が投資利益と認定されてしまう。そして20,315%の税金が課されてしまい、トータルで損失となってしまうのです。

②インデックス投資20年は右肩上がり

 ですがここで、疑問が浮かびあがった人もいるでしょう。

 それはつみたてNISAでも、同じことが言えるのでないかという疑問です。つみたてNISAの非課税期間となる20年後に損失を出し、その後の非課税枠除外の資産運用で元本に戻ったとするなら、マイナスを取り戻しただけで投資利益扱いの課税は同じです。ですがその猜疑心を、晴れ晴れした気持ちに今から解消してみせましょう。

 それはインデックス投資を20年も行えば、基本は右肩上がりに利益が出るということ。なぜなら、経済学の基本として「人口増加=経済成長」という原則があるからです。人が増えれば生きていくために、それだけ消費・需要が生まれますよね。するとビジネス・供給が介入せざるを得なくなり、世界は経済成長へと舵を切るのですね。

 世界人口もアメリカ人口も右肩上がりは、まだまだ続く模様です。つまりは5年という短いスパンでは、リーマンショックやコロナショックなどで経済が停滞する可能性はある。ですが20年のスパンでは、必ず右肩上がりになるでしょう。これは火を触ったら火傷すると同じような、物理的現象の1つです。

 だからこそ一般NISAでは損失の懸念があっても、つみたてNISAでは安心して資産運用ができるのですね。

③ロールオーバー

 ですがですが、まだまだ懐疑心を抱いている人もいるでしょう。

 それはNISA改正前の、一般NISAサービス提供時でも同じことが言えるというもの…。もちろんその通りで、あなたの着眼点は素晴らしいと言えます。ただ以前は「ロールオーバー」という制度が、その懸念を解消してくれていたのです。

 ロールオーバーとは、非課税期間5年後にその商品を新たな非課税枠に移す制度です。つまりは乗り換えということであり、しっかりと非課税の移管先が用意されていたのですね。

 ですが新NISAの出現により、旧NISAの新規移管先がなくなりました。とどのつまりロールオーバーという制度が、廃止されてしまった訳ですね。だからこそ移管先を失った一般NISAのサービスは、5年後損失で税負担をしなければいけないという、新たなリスクを生み出してしまったのです。

最後に

 本日は「新NISA③・旧NISAと併用可能」というお話、いかがでしたか?

 恩恵・懸念とそれぞれご紹介してきましたが、トータルで見ればやはり併用可能というのは嬉しすぎる施策と言えるでしょう。そして一般NISAの懸念は併用しなくても、旧NISAサービスが終了したことにより生じるものです。つまりは併用可能の懸念とは言えません。

 だからこそやはり、併用可能のサービスは活用すべきかなと私は思います。あなたも知識・体験へのお金は残しつつ、貯金する額があるのなら新NISAで長期投資をしてみてはいかがですか。

 本日はご精読ありがとうございました。

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