新NISA④「売却で非課税枠復活」

資産形成

 本日のテーマは「新NISA④・売却で非課税枠復活」というお話です。

 今年2023年も終焉が近づき、2024年がもうすぐ幕を開けますね。そして新しい年になると同時に、NISA制度も「旧NISA」から「新NISA」へと生まれ変わります。

 ここまでの記事でそんな新NISAの恩恵を、ミクロの範囲まで深掘りさせて頂きました。ですが遂に、名残惜しいですが本章が最終章です。そんな最後にご紹介するメリットは「売却で非課税枠復活」という内容です。是非とも目を刮目して、ご閲覧ください。

合計上限額の復活

 売却で非課税枠復活とは、つまり合計上限額の復活を意味します。

 新NISAによって、非課税になる合計上限額は「1800万円」でしたね。この金額は老後2000万円問題に匹敵する額でもあり、ここまでの額を長期投資できたのなら老後は安泰と言えるでしょう。そして項のタイトルでも述べた通り、合計上限額の非課税枠を活用しても売却さえすれば、また合計上限額は復活します。

①復活の具体例

 では復活の具体例をご紹介しましょう。

 例えば300万円ファンドを購入して、非課税枠1800万円中300万円を利用したとします。すると残りの非課税枠は1500万円となるのですが、300万円ファンドを売却すれば、非課税枠は復活して元の1800万円に戻るのですね。

 これは車を100万円で購入し、売却した際にそのまま100万円で金銭が戻ってきたことに比喩できます。元に戻るという安心感があれば、躊躇せずに長期投資が行なえますよね。

②取引価格「◯」・含み益「✗」

 ただ、ここで1つ留意点が存在します。

 それは取引価格のみ対象であり、含み益は対象外ということです。

 例えば100万円ファンドを購入します。そしてあなたは元々200万ファンドを、新NISAを活用し所有していました。そうなれば合わせて、1800万円中300万円を使用していますよね。すると残りの合計上限額は1500万円です。

 そして冒頭でご紹介した100万円ファンドを資産運用していると、なんと額が200万円に値上がりしました。ここで儲かったと感じ、その200万円に値上がりしたファンドを売却する。さぁ、合計上限額はいくらになるでしょう…?

 解答としては、1600万円です。現在200万円の価値があるファンドを売却したのですから、非課税枠も200万円が復活すると一見感じますよね。ですが購入した際の取引価格となる100万円のみが対象であり、含み益となる100万円は対象外です。だからこそ100万円しか、合計上限額は復活しないのです。

 このように売却して復活する額は、含み益を入れた現在の価格ではありません。あくまで購入した際の取引価格であり、そのことを忘却してしまわないように…。もし頭からその点が抜けていると「思ったよりも復活していないな」ということになります。留意してくださいね。

年間上限額の縛り

 また売却による非課税枠復活に対して、もう1つの留意点が存在します。

 それは「年金上限額の縛り」です。

①合計上限額「◯」・年間上限額「✗」

 端的にいえば合計上限額は復活しますが、年間上限額は復活しないということ。

 新NISAの年間上限額として、360万円という金額が設定されていますよね。ただこの金額は売却しても何もプラスに変動せず、変動対象は1800万円の合計上限額のみなのです。

②縛りの具体例

 ではこちらも分かりやすいように、縛りの具体例を用いましょう。

 例えば2024年に100万円ファンドを購入し、時は経過し2025年に360万円分のファンドを別に購入しました。すると2025年の年間上限額360万円は使い果たしていますよね。では去年2024年の100万円ファンドを売却すると、年間上限額100万円は復活するのでしょうか…?

 答えはNOです。もちろん合計上限額は100万円分復活しますが、年間上限額の縛りは強固たるもので復活しません。とどのつまり2025年中には、新たな100万円分の非課税枠でファンドを購入することができず、来年の2026年を待たなければ合計上限額すら有るけど使用できないのですね。

 これが合計上限額は復活しますが、年間上限額の縛りがあり、今年は身動きがとれない典型例です。

③長期投資の趣旨に合わない

 ではなぜ、年間上限額の縛りがあるのでしょうか…?

 その理由は「長期投資の趣旨に合わない」ことが挙げられます。

 元々NISAとは、日本政府が国民に対して貯金から長期投資による資産形成へと、意識をパラダイムシフトしてもらうための制定です。つまり1度持ったら売り買いせず、コツコツ資産運用してもらうことを目的としている。

 ですが利益が出たら売却というサイクルは、長期投資の趣旨から完全に離脱します。もちろんこの方法で投資利益を出すのは至難の業ですが、仮に上手くいったとします。すると合計上限額の枠内で売り買いをして、多くの利益を非課税で享受してしまうのです。それを防止するために年間上限額の縛りが存在し、ちょっとしたトラップを活用して大儲けすることが出来ません。

④名著・敗者のゲーム

 もちろん利益が出たら売却は、決して簡単なものではありません。

 投資の名著「敗者のゲーム」でも、ファンドマネージャー(プロの投資家)とインデックス投資の成績を15年追った場合に、90%の確率でインデックス投資の勝利と統計が出ています。

 ただほぼ無理であっても不可能ではないので、趣旨に合わないからこそ制限している。それがこの、年間上限額の縛りなのでしょう。

最後に

 本日は「新NISA④・売却で非課税枠復活」というお話、いかがでしたか?

 これにて、新NISAに関する記事は終了となります。4記事という長きに渡りお付き合いして頂き、心から御礼申し上げます。

 さぁ2024年は目の前です。まだ残る2023年のうちに、旧NISAの非課税枠を少しでも利用しましょう。そして万全な状態で、2024年の新NISAを迎えてみてはいかがでしょう。

 本日はご精読ありがとうございました。

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