仕事は会社名で選ぶな

客観力

 本日のテーマは「仕事は会社名で選ぶな」というお話です。

 誰もが知る大企業に就職したい、1度は誰もが人生のどこかで感じた経験がある願望でしょう。なぜなら日本は終身雇用制度が基本の世で、大きな会社である程に将来の安泰と直結していたから…。他にも大企業という権威の名を背負うことができれば、自分自身の価値が高くなったような感覚も得られます。

 ですがここで異議を唱えます。それは仕事を会社名で選ぶことは、これからの時代は自分をあまり良くない状況に追い込むリスクが含まれているのではないでしょうか。ではそのリスクとは一体何で、どうやって会社を選べば良いのか…?

 そんな疑問に本記事では、会社の選び方を深掘りしていこうと思います。

会社名選択のリスク

 まず「会社名選択のリスク」からお話していきます。

 一見誰もが知る会社に入社できれば、全てが良い方向へと循環するような感覚を得られます。ですが全てのことはトレードオフであり、マイナスの事象だって存在するわけです。では具体的に、どのようなリスクがあるのでしょう…?

 ここでは2つのリスクを取り上げていきます。

①短所環境の懸念

 会社名選択のリスク1つ目は「短所環境の懸念」です。

 長所・短所という言葉が存在しますが、これらは皆さんが思うほどに単純な性質ではありません。1つの相対的特徴(自分の突出した能力)は環境によって変化し、ある環境下では長所にまた別の環境下では短所になり得るのですね。

 具体例として「共感能力が高い人」を覗いていきましょう。彼らは営業という仕事に身を寄せれば、人から気に入られて営業成績が右肩上がりになることが想像できますね。ですがライン工などの仕事につけばどうでしょう…?逆に宝の持ち腐れとなったり、それを飛び越えマイナスのレッテルを貼られる可能性だってあるのです。

 その他の例として共感能力の高い人が、経営者という環境に身を寄せた場合どうなるでしょう…?きっと人に対しての情が、企業の合理的未来を邪魔してしまう。この項の冒頭でもお話した通り、トレードオフの世の中では、人を大切に思えば集団をマイナスに追い込むことだってある。逆に集団を守るときに、人を切らないといけない場面だってあるのです。

 このように自分の相対的特徴が短所になる環境に身を置くと、自分自身が陳腐化していきます。そしてバイタリティが萎んでいき、人生自体がつまらなくなるのですね。

②会社依存

 会社名選択のリスク2つ目は「会社依存」です。

 会社名で仕事を選んで短所環境に身を置けば、自分の能力を活かせなくなるでしょう。そうなれば力がない自分がというファクトが出現し、生きていく為には会社にしがみつかなければいけません。これがもし能力が高ければ、それを武器に新たな会社に転職したり、フリーランス・起業家として旗を掲げることだって可能です。

 会社依存の状態では、圧倒的に会社が有利な状況です。まさに恋愛でいう所の、惚れている人が惚れられた人に主導権を握られているのと全く同じ…。そうなればどんな理不尽なことにも迎合しなければいけませんし、自分の主観や経験にとって無意味なことであっても注力しなければいけません。まさに昨今のネットスラングでいう社畜という状況ですね。

スキルで会社を選ぶ

 では会社を選ぶ際に、何を手がかりに探せばよいのでしょう…?

 それは「スキルで会社を選ぶ」ことです。

 前項でもお話した相対的特徴(自分の突出した能力)が輝ける、そんな環境下の会社を選んで仕事をする。これこそ人生の幸福に直結するといっても、過言ではありません。

①資本主義社会の攻略法

 なぜなら相対的特徴を活かすことが、資本主義社会の攻略法だから…。

 資本主義社会とは、資本が持つものが偉く、価値を生み出せるものが偉いという1つのお話です。これらを達成するには相対的特徴を研磨して、自分の市場価値を上げていくしかありません。まさにサバンナの弱肉強食を再現したお話であり、力こそ正義という中枢の前提が存在します。 

 そして多くの人が大企業に就職できれば安泰と考えるのは、実は資本主義のお話の中に含まれるミクロなお話です。資本家・経営者よりもヒエラルキーが低い序列内で作られたお話であり、それが皆さんがよく知る世間体です。

 良い企業に就職すれば勝ち組というお話は、資本家・経営者から見れば、どんぐりの背比べに他なりません。だからこそ会社は自分のスキルアップの手段として考えるようにして、そのための訓練所としてスキルで会社を選びましょう。

②自己効力感UP

 また資本主義のお話に、共感できないという人もいるでしょう。

 何を隠そう私も資本主義の信奉者ではありません。元々、人と戦い合う物語が好きではないのです。それよりも自分軸で好きなものに興味を持ち、体験として人生を捉え、主観的幸福感に生きることを念頭に置いています。ですが主観的幸福感を得るには、やはり「外側の自信」ではなく「内側の自信」を手にする必要があるでしょう。

 外側の自信とは、自尊心・プライドと呼ばれ、所有物・権威・ルックスなどにより周りから評価されることによって生まれます。それに対して内側の自信は、自己効力感・自己肯定感と呼ばれ、周りが評価していようがいまいが、ただ自分が好きだと感じられる自信です。

 そして自己効力感の性質として、自分はやれば出来ると感じられるもの。この感覚を味わうには成功体験を積むしかなく、そのために相対的特徴が長所になる環境に身を置いたほうが、成功体験を得られやすいのですね。

 だからこそ人に勝つためでなく、また他人から認められるためでもなく、自分の能力が高まっていくという主観的経験が必要なのです。

最後に

 本日は「仕事は会社名で選ぶな」というお話、いかがでしたか?

 とどのつまり周りからの評価でなく、自分の精神・特徴で仕事を選べということです。きっとこの選択で人生を生きれば、好循環のサイクルに身を置くことができるでしょう。そのために相対的特徴をしっかりと自己洞察し、会社を評価・年収・待遇で選ぶのは辞めましょう。

 さらに面接時には、別人格を装う必要もありません。あるがままの自分を表現し、それに関わる部署にまわしてもらいましょう。もしもそれで不採用になったのなら、元々短所環境だったというだけの話です。自分が劣っているわけでもない。

 別人格を演じた先には、会社も自分も不幸になるという「Lose-Lose」の道があるのみ…。是非とも留意しながら、就職活動に励んでください。

 本日はご精読ありがとうございました。

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