馬が合うとは…?

客観力

 本日のテーマは「馬が合うとは…?」というお話です。

 コミュニケーションをする際に、人によって相性があることでしょう。心地良さを感じる対人関係は、豊かな人生を手にするためのマストです。

 では私たちは、どのような相手に「この人と話していると、馬が合うな…」と感じるのでしょうか?分かりやすい例として、否定しない人や、共通項の価値観がある人などが挙げられますよね。ですがこれだけで説明できない程に、なぜか馬が合う、逆に合わない人っていますよね…?

 本章では、この馬が合うと感じるファクトを深堀りして、明瞭にしていこうと思います。

3つの共通項

 結論から述べましょう。馬が合う人には、自分との「3つの共通項」があるのではないでしょうか。その共通項は「価値観」・「心拍」・「深さ」です。

①価値観

 3つの共通項・1つ目は「価値観」です。

 これは古今東西の万人が、意識上で客観視できている事象だと思います。やはり同じ価値観を持った人と話すことって、とても有意義な時間ですよね。片方がベースボールが好きで、もう片方がスポーツ自体に興味がないと発言されては、中々馬が合うとは感じられません。

 この観点から好奇心が強い人は有利であり、多くの人に好かれるファクトが浮き彫りになります。なぜなら「知りたいという欲求が強い人」は、自分と今まで関わりが薄かった分野も、相手という縁を通して知りたいと感じるから…。そして相手は自分の話を聞いてくれて居心地よく、好奇心のある人は新しいことが知れて心地良い。そんなWin-Winの関係になるのですね。

②心拍

 3つの共通項・2つ目は「心拍」です。

 「えっ?心拍っ…?」と、摩訶不思議な感情に包まれたのではないでしょうか。ですが心拍こそ、中々客観視できない共通項のファクトです。ここで1つ、イメージしてください。

 あなたはスポーツ観戦で、劇的勝利を見届けました。そのことから、自ずと心拍は速くなるはず…。この際にもし言葉を発するとなれば、少し早口になりませんか…?また逆に温泉・サウナでリラックスをして、番台付近でくつろいでいたとします。ここでは心拍はなだらかになりますから、話すスピードもスローテンポになると思います。

 そう、会話の話すスピードと心拍はリンクしている。そして「スポーツ観戦後の人」と「温泉・サウナ後」の人では、きっと何か居心地の悪さを感じるはずです。なぜなら心拍から生じる、話すテンポが違うから…。

 そしてそれぞれに正常値のテンポがあり、それは人により千差万別と違います。さらには1つ前の環境により、それが速くなったり遅くなったりもする。これらの違いによって、対人関係のガッチやすれ違いが起こるのですね。

③深さ

 3つの共通項・3つ目は「深さ」です。

 最後にご紹介する深さとは、どこまで話の内容を深堀りしたいかという差異のこと。

 例えば美術館に出向き、それを相手に伝えたとします。その話し手は、画家が「絵画を通して何を伝えたいか」について語りたかった。しかし受取方は「オシャレな趣味だね」、「絵を描けるってすごいよね」と、表面の会話で終わらせてしまいました。こうなれば共感はしてはいるけれど、掘ってほしい位置まで届かず、何か味気なさが残りますよね。

 他にも同じ漫画が好きと共感し合いながら、少し掘った内容に入ろうとすると、もう片方は表面で楽しめる要素だけで満足していることを知る。こうなれば同じ漫画が好きでありながら、馬が合わないとなるはずです。

 会話の深さは、全てに浅く楽しむ人もいますし、深く楽しむ人もいる。逆に一貫性なく、特定の事柄だけ深く、あとは浅いという方もいる。このように深さが価値観と複雑に絡み合うことによって、同じ価値観を共有しながら、居心地の良さ・悪さを感じる訳ですね。

音楽に比喩

 ではコミュニケーションにおける、3つの共通項を「音楽に比喩」していきましょう。身近な音楽鑑賞と紐づけることで、一層理解しやすいものに転じるのではないでしょうか。

①感情表現のメロディ

 まず価値観ですが、この要素は音楽での「感情表現のメロディ」です。

 人によって明るめのミュージックが好きな人もいれば、少し暗めの淀んだ音楽に浸りたい人もいます。またエキゾチックな音楽で、現実から乖離したい方もいるでしょう。

 好む感情表現のメロディが違うように、価値観も色とりどりです。人によっては明るめのポジティブな会話をしたい人もいれば、日頃の苦しさを吐露したい人もいる。または客観的な会話で、様々なものを評価せず分析したがる人もいますね。

 この価値観の違いは、音楽の感情表現のメロディと同義ではないでしょうか。

②テンポ

 次に心拍ですが、こちらは音楽の「テンポ」と言えるでしょう。

 心拍はそのまま、ミュージック曲のBPMに反映されます。想像してみてほしいのですが、夜に疲労している時ほどバラードが心地よいはず…。逆に朝の元気ハツラツ時には、アップテンポでテンションを上げたくなるでしょう。これは時間ごとの、あなたの心拍に比例します。

 ペーシングというコミュテクが有名ですが、これは相手と話のペースを合わせることです。相手の話し言葉にビートを刻み、そのビートと同じテンポで自分も言葉を乗せて話していく。すると相手は無意識に、居心地の良さを感じるというメカニズムです。

 そう、つまり会話はミュージックなのかもしれませんね。

③サビの認識

 最後に深さですが、音楽では「サビの認識」なのではないでしょうか…?

 曲を聞き始め、自分はAメロ、Bメロ、サビと認識して音楽鑑賞をしている。しかし相手はAメロを聞いてBメロに入る否や、Bメロがサビだと満足してしまったのです。そして「次の曲を聞こう」と曲を変えてしまった。ここでは会話の話したい内容が、サビに当たります。

 会話ではあなたはまだ深堀りした内容を話したいので、話のサビに突入していません。ですが相手は会話の終焉だと満足してしまい、サビを聞いた気分になる。これでは同じ会話内容(音楽)が好きでも、馬が合うとは到底思えませんね。

 このようにコミュニケーションの3つの共通項は、音楽に比喩ができる。コミュニケーションとミュージックは、まさに類似した営みなのです。

最後に

 本日は「馬が合うとは…?」というお話、いかがでしたか?

 陰キャ・陽キャと、大雑把に分類されることが良くあります。今回の3つの共通項に照らし合わせるのなら、価値観では外交的な趣味「ゴルフ・飲み会・テントサウナ」などが陽キャで、「読書・美術鑑賞・ゲーム」などの内向的な趣味が陰キャではないでしょうか…?

 また心拍では速い人ほどテンションが高めになるので陽キャで、遅い人はのんびりした印象になり陰キャとなる。

 最後の深さでは陽キャの方が外交的ですから、掘りすぎると価値観の差異で喧嘩の原因になります。だからこそ無意識に表面の内容で盛り上がり、次に会話をシフトチェンジする雑談力を習得しているのです。逆に陽キャは内向的ですから、物事を自分の中で掘り、さらにそれを人と議論することを好む。あくまで私の見解ですが、あなたが思考する際の材料として頂けたら嬉しいですね。

 本日はご精読ありがとうございました。

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